夏川草介さんの作品が好きで、前作である「臨床の砦」も何度も読み返しているので、続編である今作も読ませていただきました。コロナ患者を初めて受け入れる時の医療者、その医療者の家族が鮮明に描かれており、普段は見えてこないコロナ診療に関わる医療者のありのままの姿が記されていました。読んでいて率直に感じたのは恐怖でした。それでも私が感じた何倍もの恐怖を抱えて患者を診るのは尋常じゃありません。でもそこを踏ん張ってくれた方々がいることを私達は知る義務があると思います。医療者のみならず今の時代に生きる人々に必読の書です。治療法もワクチンもなく、致死率や感染経路まで不明な段階からコロナ治療に従事して下さった方々のお陰で今の治療が行えているのだと思うと感謝に絶えません。今も医療現場を支えている医療者に最大限の感謝を。1日でも早くコロナが収束する日が来ますように。 (20代 女性)