図形・文章題に強くなる!
絵解き 和算ドリル
江戸時代が始まって間もない1627(寛永4)年、京都の和算家・吉田光由(よしだ・みつよし)が、和算の入門書『塵劫記』(じんこうき)を書きました。この本が大ヒットし、江戸時代の学習塾・寺子屋などで大いに使われ、子どもたちの計算力や暗算の力はみるみるうちにアップしました。実は江戸時代の子どもたちの学習レベルは、現代のおとなも顔負けだったのです。
寺子屋でそろばんの練習をする子どもたち。右上が師匠。●高井蘭山・編『江戸大節用海内蔵』1861(文久元)年。著者蔵。
本書では、江戸時代から大正時代に書かれた和算書などの中から、小学4年生までの学習内容で解ける問題、中学受験でよく使われる問題などを厳選して収録しました。
和算には、馬乗り算、旅人算など、江戸時代の生活を描いたような文章題がいくつもあります。
つるかめ算や旅人算など、中学受験にもよく出てくるこれらの問題が、江戸時代に作られたものだということをご存じでしたか?
つるかめ算は1700年ほど前の中国で作られたといわれています。初めて日本に紹介されたのは1640(寛永17)年のことでした。ちなみに、そのときの問題に登場した動物はツルとカメではなく、キジとウサギでした。
このドリルでは、まず和算をゲーム感覚で楽しんでいただくために、江戸時代に作られた色板パズルを2種類、付録としました。
そのひとつが1742(寛保2)年に出版され、大ヒットした『清少納言 知恵の板』です。この色板を紹介した大正時代の本では、この7枚の板で作ることができる形を42種類も紹介しています。
本書では、その中から色板の表(おもて)面だけでつくことができる17種類の形を紹介しています。